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江差線・五稜郭~木古内で全駅乗下車してきました。〈その2〉

〈前回のあらすじ〉
2015年7月18日夜、江差線五稜郭~木古内で全駅乗下車するために東京を出発した私は、福島や秋田での寄り道をはさみつつ、「スーパー白鳥27号」に乗ってついに北海道に入り、最初の駅である五稜郭駅に降り立ったのでした。

1駅目:五稜郭 21:49着 22:00発(滞在時間 11分)

五稜郭~木古内には、両端の駅も含めて全部で12駅あります。私は、全駅乗下車の際のルールを決めていて、それは「特定の路線の駅であるとみなして臨む」ということと「『降りる→乗る』の順番で、両方の行動を完了して初めて乗下車したとみなす」ということです。

どういうことかというと、たとえば五稜郭駅ですが、ここには函館本線と江差線の2路線が乗り入れています。今回は、江差線が経営分離されるので、あくまで「江差線の五稜郭駅」と考えて降りにいくということです。なので、函館本線から乗り入れてくる列車で降りたとしても、それはルール違反と考えているということです。それがたとえ函館発木古内行きの列車であっても、あくまで函館~五稜郭は函館本線であって江差線では決してありません。なので、必ず七重浜方から来る列車で訪れて、七重浜方へ向かう列車で去っています。

そして2つ目のルールですが、駅を訪れるのであれば鉄道を使わなくても、徒歩でも自動車でも行こうと思えば行けます。あるいは、列車で来てタクシーで帰る、またその逆のパターンなども考えられます。しかし、私は全駅乗下車では必ず「列車で降りて、列車に乗って、乗り込んだ時点で乗下車したことにする」と考えています。逆の順である「乗る→降りる」は認めていません。ある駅に訪れて、その後急な天候の変動で列車が運休になってしまった場合、その日の内に乗れなくなったら乗下車したとはみなしていないのです。たとえ代行バスであったとしてもです。降りただけでは安心できず、いつも不安との戦いをしています。

さて、そんなこんなで江差線側からくるスーパー白鳥に乗って五稜郭に降り立ったのでした。すでに辺りは真っ暗ですが、私の乗下車は夜だろうと昼だろうと、大雪だろうと一切気にせず行われます。「降りる→乗る」という行動を機械的にしさえすればなんだっていいのです。

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北海道の玄関、函館の1つ隣の駅で、貨物列車にとってはここ五稜郭が玄関です。昼夜問わず多数の貨物列車が行き交い、たくさんのコンテナを連ねた列車が発車を待っています。そんな重要拠点で市街地にある駅ですが、周りには電灯もろくになく真っ暗。東京や大阪の感覚でいると酷い目にあいます。

ちなみに、あの星型をした要塞「五稜郭」からはかなり遠いです。実はこの数時間後に五稜郭公園~五稜郭を歩いているのですが、早く見積もっても徒歩1時間はかかるでしょう。昼間であれば、函館まで行ってそこから路面電車で向かうのが普通の方法です。五稜郭タワーは小学生の頃に一度訪問しています。


2駅目:七重浜 22:04着 22:41発(滞在時間 37分)

IMG_2756IMG_2769▲使われているのは左側の島式ホーム2線。駅舎に面した右側のホームは使われていない。

IMG_2761▲駅舎は機能していない。跨線橋上に窓口や待合室がある。自動販売機と跨線橋の明かりだけが頼り。

こんな夜にこんなところで降りてなにしてるんだって思うこともありますが、まぁ前からそんなことやっているので今更気にしたって仕方ありません。江差線は上磯辺りまで住宅地が広がっていて比較的町中なので孤独感はありません。しかし、駅そのものに用事がある人はおらず、列車が来る前に人が集まり、降りてしまえは皆家に帰るだけで、駅に人は留まりません。夜中ともなれば尚更。しかし思いの外、跨線橋上の駅舎は結構きれいでした。このとき、待合室に掲示されていた案内で翌日花火大会が開催され、函館~上磯で列車が増発されることを初めて知ったのですが、結局計画は変えずにいきました。

初日はこの2駅だけで終わり。このあとは最終列車で函館へ向かい、そこから数十分歩いてこの日の宿であるネットカフェへ向かいました。場所は五稜郭公園と五稜郭の中ほどにあります。


2015年7月19日(日曜日)

寝ることすらままならないうちに夜も明け、始発からまた全駅乗下車を始めます。昨日の夜からそうでしたが、雨が少しばかり降っていて、花火大会は延期されてもおかしくないような天候でした。

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▲夜も明けた五稜郭から始発列車に乗る。

3駅目:清川口 6:28着 6:45発(滞在時間 17分)

五稜郭~木古内は列車本数が多めのため、単線ですがほとんどの駅で交換可能となっています。そんな中ですが、両隣の駅との距離が近い東久根別とここ清川口の2駅だけは、交換不可能な棒線駅となっています。

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▲駅名標のすぐ裏手にあるのが北斗市役所。

しかし、棒線駅であってもすぐ近所に北斗市役所があるので、利用者は少なくありません。むしろ役場へのアクセスのため設置されたという雰囲気さえ漂います。

IMG_2783▲駅を挟んで市役所と反対側には文化センターもある。


4駅目:久根別 6:47着 7:10発(滞在時間 23分)

IMG_2799IMG_2796▲重要路線だけあって軌道の整備状況は悪くない。

全駅乗下車をしているときはそこそこ時間があれば駅を出て歩いてみたりしています。ここ久根別はまだそれほど都会から離れてはいませんが、店舗などが集まっているのは駅ではなくより海沿いを通る国道周辺。駅の周りは地図で見るよりずっとがらんとしていて寂しげなものです。

実際国道に出てみると、想像以上に多くの車が行き交い、別に田舎でもなんでもないじゃんと思ったりします。ただそれはここに限らず、大都市以外のどこであっても言えることなのです。実際、田舎(というか秘境)と思える場所というのは本当に山しかないところなど、どうやっても無人地帯にしかならざるを得ない場所でしかありえないのです。そうでなければ、だいたいの場所には人が住んでいます。ただ、そこに住む人が鉄道(というか公共交通)を使わないから田舎に見えるだけなのです。この旅の間もずっと、「今自動車を走らせている人が全部鉄道を使ったらどれだけの利用者数になるのだろう・・・」と考えていました。考えたところで使ってくれないのでどうしようもないのですが。

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▲駅前に乗り入れるバスは平日2本、休日1本。とりあえず走らせているだけ。


5駅目:茂辺地 7:25着 7:45発(滞在時間20分)

時刻表を見てもらえれば分かると思いますが、函館からは上磯行きが結構多く走っており、この区間は利用者が多めになっていますが、上磯から先は本数が減り、特急列車と貨物列車が中心になります。去年までの江差まで走っていた頃は、木古内から更に本数が減るという感じでした。上磯から先は、海岸線ぎりぎりまで山が迫り、ところどころ拓けたところにある集落にぽつぽつと駅がある、という感じです。今回の旅では、ダイヤの都合で先に五稜郭~上磯で乗下車してから、そのあと本数が少ない茂辺地~木古内を降りるということになりました。が、これまたダイヤの都合で茂辺地は先に訪問してしまいます。

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▲小高い丘の上にある茂辺地駅。『ここは海抜5m』。

津軽線の瀬辺地、青い森鉄道と大湊線の野辺地と、このあたりには○辺地駅が多くありますが、何か由来があるのでしょうか。

先に述べたとおり、茂辺地以南の駅では海岸線が迫っているので、駅舎中に津波の際の避難場所が書かれた紙が貼られています。

上磯~茂辺地はかなり駅間距離が長く、途中に矢不来(やふらい)信号場という交換施設が設けられています。上磯~茂辺地間は、なんと五稜郭~上磯と同じだけの距離があるのです。ここまで5駅かけてきた分の距離が1駅分なのです。不思議なものですね。


6駅目:上磯 7:55着 8:32発(滞在時間 37分)

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ここでまた函館側に戻って上磯で降ります。3線ありますが、一番海側の線路は行き止まりになっていて函館への折り返し列車専用となっています。時間があったのでコンビニへ寄り、この日に使う函館から津軽今別までの切符を買いました。第三セクター化されたらJRの切符も買えなくなるので今のうちです。

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田舎では鉄道としてはそこそこ重要な駅でも周りには何もなかったりするのですが、ここはコンビニが存在していてくれました。それも北海道にありがちなセイコーマートなんかではなく大手全国チェーンのセブンイレブン。様々です。

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▲分割作業中の車両。

次に乗る列車は函館から上磯までの区間列車で、折り返し列車用ののりばに停車しています。この列車は、函館から2両で来ていますが、上磯到着後、1両ずつに分割し、一方が上磯8:32発函館行き、もう一方は2列車後の上磯9:35分発函館行きとなるのです。ローカル線では、数両で来た列車が途中で切り離し、それぞれが別の列車になるということがよくあります。廃止直前の深名線では全3両が始発の名寄行きとして深川を出発し、幌加内、朱鞠内で1両ずつ切り離し、それぞれが上り列車として折り返していくという運用が組まれていました。


7駅目:東久根別 8:39発 9:12着(滞在時間 33分)

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▲北海道にありがちな車掌車改造の簡易待合室。

まだ午前中の早い時間だというのにもう半分以上乗下車達成してしまいました。1時間に2本以上来るような本数の多い路線だと、比較的ぱっぱと済ませてしまうことができるのです。しかしこの後は重要な予定があるのでそれに時間を割かなければなりません。

都市部ではあまり見ないですが、北海道のど田舎になればなるほどみかけるのがこの車掌車改造の待合室。昔は貨物列車にも車掌が乗っていることが当たり前で、その車両を待合室にしたものです。あまりきれいじゃなかったりするので好きではないのですが。というか人の少ないオンボロ駅舎自体があまり・・・。ここは利用者もそこそこいるので別にそんなに汚いわけではありませんでしたが。

さっき上磯でセブンイレブンにいったばかりですが、ここではローソンに行きました。理由はいろはすのハスカップ味が売ってなかったから。ローソンには置いているのです。あと北海道ではそこらじゅうにあるツルハドラッグがここ東久根別にもありました。北海道ではスーパーマーケットのような存在です。


この後、一旦函館に戻り、函館市電に乗っていました。津軽今別にとまる列車が1日2往復と限られているので、時間潰しの意味もありましたが、かなりぎりぎりの行程になってしまっていました。

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去年函館に来た際に、函館駅前~函館どっく前の短い区間だけは乗っていたので、残りの区間を乗るつもりでいました、が、湯の川まで行って折り返しの谷地頭行きに乗るつもりが、まさかの折り返し列車が谷地頭行きにならず函館どっく前行きになってしまい、時間がぎりぎりで全く余裕がなかったので、どっく前行きで折り返して函館駅前に戻ってしまい、十字街~谷地頭の残り区間は一旦諦めることにしました。

さて、この後は青函トンネルで再び本州に戻り、8月に実質廃止される津軽今別へ向かいます。長くなってしまったので続きは次回。お楽しみに。